【読書】仕事の手帳/最相葉月

しびれました。


同じ大学と知り、気になっていた
ノンフィクションライターの最相葉月さん。
絶対音感星新一の評伝の作者として有名な方。

心をとらえられたテーマを取材する、その執念と粘り強さを
マインド、精神論にとどまらず、いや、むしろありがちな熱は抑圧して
とても具体的に記されています。

抑圧しながらも、その熱は静かに確かににじみ出ているのですが。

数年かけて取材した結晶は、ウェブマガジンには似合わない。
やはり、一冊のモノとしてのこしたい、のこしてほしい。
だから、本は絶対なくならないだろうと確信しました。
しかし、それだけに選別されていくのでしょう。

とくに印象にのこったのは、
絶対音感のテーマに惹かれながら、
でもまだ形になるか分からないという時期の
矢野顕子さんとのエピソードの部分。

20分だけのわずかな電話取材の時間を得た最相さんが
矢野さんの言葉をもらって

「矢野さんの体験談を聞いた瞬間、私は、書ける、と思った。」

最相さんの心の動きがそのまま自分にシンクロして
ぶわっと涙が。

ちなみに、私がインタビュー取材で決めていることは
丸裸でのぞむこと。カッコつけないこと。
拙くても時々自分の意見をはさんで、でも総じて聞き役に徹すること。
毎回、ほんとうに消耗しますが、やめられませんね。